2023/08/10
あまり聞き慣れない単語だと思います。
外壁材の1種で、塗装の際に使われるものです。
今回はお勧めしたい外壁材として窯業系サイディングとは何か、どのようなメリットがあるのか説明します。
目次
窯業系サイディングとは何か?
窯業系サイディングとは、セメントに繊維質を混ぜて、板状にした外壁材です。
日本で最も使われているサイディングボードで、機能性やデザイン性に優れています。
色やデザインが豊富で、タイル調やレンガ調などさまざまなデザインに順応します。
ただし、劣化しやすいので、こまめなメンテナンスが必要です。
ここで言うサイディングとは、建物の外壁に使う外装材のことです。
工場で生産された不燃外壁材が主に使われおり、耐火性や耐久性に優れています。
木製板の代わりに使用されることが増えました。
英語で外壁という単語のサイディングをそのまま使っており、サイディングボードとも言われています。
窯業系サイディングのメリット
窯業系サイディングのメリットを大きく4つにまとめました。
1つ目は、デザインや色の種類が豊富なことです。
先程も述べましたが、窯業系サイディングはセメントで作られるため、デザインの種類が沢山あります。
さまざまなデザインから選べて、好みの外壁に仕上げられます。
また、表面を塗装で仕上げるので、色の種類も多いです。
表面の塗装によって、シンプルなデザインからタイル風や石材風などの複雑な表現まで可能です。
見た目を重要視される方や数多くの選択肢から選びたい方にぴったりの選択肢です。
2つ目は、値段がそこまで高くないことです。上述したように、窯業系サイディングは他の外壁材と比べてコストがそこまでかかりません。
工業製品として板状に加工されている為、職人が手作業で仕上げる必要もないです。
よって、初期費用を安く抑えることができます。
お財布に優しい塗装と言えるでしょう。
3つ目は、耐火性や耐震性に優れていることです。
窯業系サイディングは不燃材料として国から認められています。
耐火等級3、耐火等級4を取得しているものが多く、自宅や隣家で火災が起きても延焼を防止してくれます。
耐震性は、建材の軽さに左右されてしまいます。
人が重たい荷物を持っていると大きくぐらついてしまうように、家も軽いほうが地震の影響を受けにくいです。
モルタル外壁が一棟分で約8トンもあるのに対し、窯業系サイディングは約2.9〜3.8トンと、半分以下の重さで、非常に軽いことが分かります。
4つ目は、工事しやすく工期が短い事です。
窯業系サイディングは、職人にとって取り扱いが簡単であり、短い工事期間で外壁を仕上げることが可能です。
特定の基準(寸法や形状)に合わせて工場で製造され、その後は現場へ運ばれて組み立てるのみです。
非常に効率的な作業が実現できるため、工事の所要期間が短縮されます。
一方、モルタルは、職人が手作業で重ねて厚塗りする必要があり、タイルは1枚ずつ貼り付ける手間がかかる外壁材です。
工程が長引くと、それに応じて人件費などの費用がかかるだけでなく、依頼主も待つ時間が増えてしまいます。
窯業系サイディングのデメリット
1つ目は、定期的にメンテナンスが必要なことです。
どんな外壁材も完全なメンテナンス不要ではありません。
窯業系サイディングも他の外壁材と同様に、定期的なメンテナンスが必要です。
耐水性が限られているため、他の外壁材と比べて頻繁に点検をしなければなりません。
2つ目は、蓄熱性があることです。
窯業系サイディングは、熱を保持する性質であり、夏などに余分な熱を逃がすことなく蓄えることができます。
しかしこのデメリットは、サイディング施工の際に「通気金具留め工法」や「胴縁を使用する方法」といった手法で一定程度解決することができます。
これらの手法によって施工されると、通気層が形成され、熱が遮断されるため、生活空間は外気温に影響を受けることはありません。
3つ目は、耐水性能はないので水を含みやすいことです。
窯業系サイディングという外装材自体には耐水性能がなく、表面の塗装によって防水機能が保たれています。
しかし、窯業系サイディングの主成分であるセメントは水分を吸収しやすい素材ですので、塗膜がはがれると防水が効かず、劣化が進行します。
また、ボード同士の接着箇所のシーリング材も経年劣化で切れてしまうことがあり、水分を含む可能性があります。
そのため、窯業系サイディングの場合、定期的な塗装やシーリング材のメンテナンスが必要不可欠です。
4つ目は、窯業サイディング自体が重くシーリングが必要な場合もあることです。
窯業系サイディングは、セメントを主要な材料としているため、他のサイディングに比べて重みがあります。
また、製品の長さは主に3メートル前後であり、サイディングの接合部にシーリング目地を必要とするのがデメリットです。
しかし、最近では、メンテナンスの負担を和らげつつ、接合部が目に付きにくいシーリングレス工法などさまざまな手法が存在します。
この点が気になる場合は、専門家である塗装業者に相談してみることをおすすめします。
窯業系サイディングをおすすめしたい人
デザインにこだわりがある
窯業系サイディングは市場シェアが高いため、外装材の中でも特に多様なデザインが揃っています。
おしゃれなタイル模様やレンガ調、風情あるストーン柄や木の風合いを再現した木目調、ミニマルなフラットデザインなど、多岐にわたるデザインが用意されており、これらを組み合わせることで独自の外壁デザインをカスタマイズすることも可能です。
工事期間を短くしたい
窯業系サイディングの工事工程は、他のサイディングと比較しても複雑ではないため、比較的短い期間で工事が完了します。
工事期間を短くしたい方にも窯業系サイディングはおすすめです。
コスパを重視したい
窯業系サイディングは、生産段階で発生する「素材費」や施工中にかかる「施工費」をどちらも低額に抑えることができるため、全体的な経費も削減されます。
経済的な観点を重視する際にも、窯業系サイディングはおすすめです。
窯業系サイディングの耐久年数
期待耐用年数は一般的に10年から15年
窯業系サイディングの耐用年数は10年から15年程度です。
そのため、約10年から15年ごとに塗装が必要です。
シーリング材の劣化などにより外壁の隙間から水が浸入すると、防水効果を持つ窯業系サイディングは早期に劣化します。
このような問題を防ぐためにも、定期的な塗り直しなどが必要です、
外壁材として長期間保つためにも、シーリングの交換などの各種メンテナンスを計画的に行うことが重要です。
メンテナンスのタイミングとメンテナンス時の費用目安
窯業系サイディングのメンテナンスのタイミングは、 7年〜10年ほどが目安です。 サイディングを してから7年〜10年経過したら、一度外壁の点検を行う必要があります。
一般的に下記のような症状が出てきた際は、外壁のメンテナンスをするべきタイミングとなりま す。
・シーリング切れ
・チョーキング
・ひび割れ
・外壁の反りや浮き
メンテナンスで必要となる工事として、ひび割れの修復、再塗装、藻やカビの処理、反り浮きの修復、シーリング打ち替えなどの症状を直したり、 今後の劣化を予防したりします。
このメンテナンスもサイディングの種類によって異なります。
症状が軽度である場合は、塗装などをせずにメンテナンスで対応することができます。
しかし、ひび割れが大きかったり、 外壁の反りが著しかったりするなど重度の状態でメンテナンスで対応できないという場合は、サイディングの交換が必要となります。
定期的に水洗いをするだけでも変わってくるので、自力でメンテナンスする際は、外壁の水洗い、落ちにくい箇所はスポンジなどを使用して薄めた中性洗剤で洗いましょう。
メンテナンスの費用目安は、 だいたい30坪あたり約150万円からになります。
サイディン グの劣化状態によっては目安よりも費用が高くなる事もありますのでおおよその目安となります。
窯業系サイディングの工法の種類と費用の相場
工事方法によって費用やその後のメンテナンス費用が異なりますので、 おおよその内容は把握しておくと安心です。
窯業系サイディングに関しては、外壁材自体に重量があるので、 さらに重ねて重量が増してし まう カバー工法 (重ね張り) は一般的に適用できないとされています。 そのため、窯業系サイディングのリフォームは上塗りか張り替えが一般的です。
新築釘留め工法
下地にサイディングボードを釘で直接留める手法を「釘留め工法」と呼びます。
コストを削減できる手法ですが、釘自体の耐久性が低いことやサビや振動による影響によって亀裂が生じる可能性があるため、注意が必要です。
新築 金具留め工法
金属製の金具を下地に固定し、その金具にサイディングボードを引っかける工法が 「金具留め工法」 です。
金具留め工法には2つのタイプが存在し、胴縁の上に金具を設置する手法と柱や躯体、それに設置された構造用合板に金具を直接取り付ける「通気金具留め工法」があります。
費用は釘留め工法より高めですが、窯業系サイディングは蓄熱性を持つ一方、地震や振動によって釘打ち箇所にひび割れが生じるリスクがあるため、その可能性が低い「金具留め工法」をおすすめします。
予算としては約40万円から50万円程度を用意しておくと安心できます。
一般的な30坪程度の家の場合、費用の概算は170万円程度と考えておくと良いでしょう。
リフォーム張り替え
既存の外壁材を撤去して、 新しい壁を張るのが張り替え工法です。
既存壁の上の窯業系サイディン グの重ね張りは、 重量が重くおすすめできないため、 リフォームする場合は、 張り替えでの対応となります。
張り替えでは、古い外壁を剥がし内部を補修する工程や撤去した建材の処分費用などが追加されるので、カバー工法に比べると工事期間が長く費用も高くなります。 場合によっては仮住まいが必要な場合もあります。
カバー工法と比較すると、プラス2〜4週間ほどの期間が必要になるでしょう。
追加費用は内容によって大幅に変わるので業者に直接確認する必要があります。
窯業系サイディングの選び方
豊富なバリエーションから窯業系サイディングを選びたい
豊富なバリエーションから窯業系サイディングのデザインを決めたい場合は、ニチハのPREMIUM SERIESがおすすめです。
この商品はニチハがラインナップしている多くのシリーズの外壁材に、独自の超高耐候塗料であるプラチナコートを使用しています。
そのため、選べる外壁材の種類が多く、好みのデザインを見つけやすい商品です。
汚れにくく、色あせしにくい窯業系サイディングにしたい
汚れがつきにくく、色あせしにくい外壁材が良い場合、ケイミューの光セラはおすすめです。
光セラは光触媒を利用し、太陽光と雨水の力で外壁に付着した汚れを分解、除去するため、汚れにくいです。
その上、紫外線を効果的に活用することで、色あせしにくい外壁材としても優れています。
色あせに悩む方には、旭トステム外装のガーディナルがおすすめです。
塗膜の変色や色あせに対して、30年間の保証を提供しており、信頼性があると言えます。
断熱性の高い窯業系サイディングにしたい
もともと、窯業系サイディングは熱がたまりやすいというデメリットがあります。
そのため、優れた断熱性を持つ窯業系サイディングを求める際には、遮熱効果のある外装材や遮熱塗料を用いて仕上げる必要があります。
そのため、おすすめなのが、ニチハのモエンエクセラードシリーズのソルガードプラスです。
ソルガードプラスは太陽光を反射して遮熱する能力を備えています。
太陽の熱を軽減し、高い断熱性を備えたサイディングと言えるでしょう。
地震に強い窯業系サイディングにしたい
地震に強い窯業系サイディングとは言い換えれば建物に負荷をかけにくいサイディングであることから、耐震性を上げるには軽量なサイディングを使用する必要があります。
そこでおすすめなのが、ケイミューのレジェールです。
レジェールは気泡入りの材料を活用することで重量を抑えており、また、サイディングの厚みも厚いことから耐久性に特化しています。
厚みが厚く軽量な外壁材は、深彫りの重厚感を備えつつ耐震性を上げるためにぴったりの商品と言えるでしょう。
おすすめのサイディングメーカー
ニチハのモエンエクセラード
ニチハ株式会社は、国内最大手の建材メーカーです。
窯業系サイディングの「モエンエクセラード」シリーズは、微妙な色合いやリアルな質感を高いレベルで表現した風格あるデザインが揃っています。
また、汚れがつきにくい「マイクロガード」という表面塗装で、美しい外観を長く楽しむことができます。
・モエンエクセラード16 セコラストーン
価格:5,513円/㎡
色彩が非常におしゃれな外観に仕上がります。
・モエンエクセラード16 マイスターウッド調V
価格:3,917円/㎡
バリエーションが非常に多く、木材のような素朴で温かみのあるデザインもあります。
ケイミューの光セラ
ケイミュー株式会社は、老舗メーカー「クボタ」と「松下電工(現パナソニック)」の住宅外装建材部門が統合してできた会社です。
「光セラ」シリーズは、汚れをセルフクリーニングしてくれる光触媒の技術を使っています。
長い実績があり、実際に10年以上経ったお家の施工事例もサイト上で多数公開しているところも信頼できるポイントです。
・ネオロック 光セラ16 シックボーダー
価格:5,840円/㎡
シンプルですっきりしたデザインで、カラーバリエーションも豊富です。
・ネオロック・光セラ16 ナチュラルレンガ
価格:5,840円/㎡
レンガのような重厚感ある家にしたい方にもおすすめです。
旭トステムのAT-WALL
旭トステム外装株式会社は、暮らしの総合メーカー「LIXIL」と樹脂、ガラスの大手「旭硝子(AGC)」の外装部門が統合してできたメーカーです。
住まいに関する総合的なノウハウや高い技術力が魅力的な製品を多数販売しています。
「AT-WALL」シリーズの中でも特に、独自技術「セルフッ素コート」を使用したものはとても色褪せに強くおすすめです。
・AT-WALL PLUSレクタートP
価格:5,513円/㎡
石材を積み上げたような、シックなデザインです。
・AT-WALLガーディナルニューグレイスタイルVZ
価格:6,762円/㎡
細やかなストライプによって都会のような印象の家に仕上がります。
まとめ
窯業系サイディングには沢山の魅力とメリットがあります。その優れたデザインで家の外観を個性豊かなものにもできますし、その機能性で家の劣化を防ぐこともできます。
実際にどのような施工事例があるのか調べてみるのも良いでしょう。
そすれば、自分の外壁に対するイメージがよりいっそう掻き立てられるはずです。
この記事を読んで窯業系サイディングに関する知識を深めて下さい。
愛媛県松山市の外壁塗装の助成金について知りたい方はこちらをご覧下さい。